1975年8月、70年代の日本のロックが頂点にありました。
1974年に開催された「ワン・ステップ・フェスティバル」。。
1975年7月19日に後楽園球場で開催された内田裕也主催の「サマー・フェスティバル」(出演:内田裕也&1815 Rock'n'Roll Band/カルメン・マキ&OZ/あんあんBAND/クリエイション/ジョー&Felix Pappalardi)。。
そして1カ月後の1975年8月7日に開催されたのが「YUYA UCHIDA PRESENT/World Rock Festival Eastland」でした。
YUYA UCHIDA PRESENT World Rock Festival Eastland
日付:1975年 8月7日(木) (雨天決行)
会場:後楽園球場
開場:12:00 p.m. 開演 :02:00 p.m.
料金:A \2,800 B \2,500 C \1,500
主催:ワールド・ロック・フェスティバル実行委員会
後援:ウドー音楽事務所
前売開始 :1975年7月5日(土)
コピー :1975年夏..ついに日本列島に捲き起こる夢の一大イベント...... ここに実現、日英米、夢の対決
出演 :ジェフ・ベック/ニューヨーク・ドールズ/フェリックス・パッパラルディ・ウィズジョー/カルメン・マキ&OZ/クリエーション/内田裕也/四人囃子/イエロー/コスモス・ファクトリー他
World Rock Festival Eastland
(ワールド・ロック・フェスティバル イーストランド) 開催日程
8月3日 札幌 (真駒内競技場)
8月5日 名古屋 (愛知体育館)
8月6日 京都 (丸山公園野外音楽堂)
8月7日 東京 (後楽園球場)
8月9日 仙台 (菅生トレール・ランド)
当時、日本のトップレベルのロックアーティストにジェフ・べック、メンバーを一新したニューヨーク・ドールズ、そして、クリームのプロデューサーであったフェリックス・パッパラルディを迎え開催されたフェスティバル。
【1975年10月号のニュー・ミュージック・マガジンに詳しいレポートが掲載されています。】
70年代にこれだけ大規模なロックフェスティバルを企画、開催にこぎつけられたのは、内田裕也しかいなかったのではないでしょうか。。
注目度の高かったジェフ・べックは、残念ながら風邪を悪化させ、京都と仙台はキャンセル。
また、東京公演はトリの予定でしたが、変更してなんと2番手として登場。
他の公演と比較して20分程度短い演奏時間だったそうです。
そして、この「World Rock Festival Eastland 東京公演」の音源が完全盤ではないものの、2001年にブートレグとして限定100枚の3枚組としてリリースされていました。
【表ジャケット】
私もこんなブートがリリースされていたのを知りませんでしたが、先日、リニューアルオープンしたディスクユニオン関内店で発見!
リリースされた際も、ブート専門雑誌等に掲載された時にはすでに市場からは売り切れで消えていたというアイテム。。
オークションでも10,000円を超えて取引されているという話もあるほどのアイテムですが、ディスクユニオンでは、リスナーに優しく2,600円でした♪
DISC 1
YELLOW
1. うつむいてばかり
2:Interview
3:Going Up
*Radio Broadcast
JEFF BECK GROUP
4.Constipated Duck
5.She's A Woman
6.Freeway Jam
7.Difinitely Maybe
8.Superstition
9.Keyboard Solo~Cause We've Ended As Lovers
10.You Know What I Mean
-Encore-
11.Diamond Dust
*Excellent Audience Recording
DISC 2
CARMEN MAKI & OZ
1.Introduction
2.昔
*Radio Broadcast
YONINBAYASHI(四人囃子)
3.Set-up
4.カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎、ジャマイカへ飛ぶ)
5.空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ
6.一触即発
*Excellent Audience Recording
DISC 3
FELIX PAPPALARDI & JOE("WORLD ROCK FESTIVAL BAND")
1.Introduction
2.Make Up (Vo. Joe)
3.Theme For Imaginary Western (Vo. Felix Pappalardi)
4.Where You Wanna Go (Vo. Joe)
5.Nantucket Sleighride (Vo. Felix Pappalardi)
6.Woman(Shadow Of Lost Days) (Vo. Joe)
7.World Rock Festival Band (Vo. Felix & Joe)
-Encare-
8.Rock MC by Yuya Uchida
9.Rock'n Roll Medley (Vo. Yuya Ucida)
10.World Rock Festival Band (Vo. Felix & Joe)
*Excellent Audience Recording
WORLD ROCK FESTIVAL BAND is
ジョー山中 - Vocal
フェリックス・パッパラルディ- Bass & Vocal
竹田和夫 - Guitar
森園勝敏 - Guitar
近田春夫 - Keyboards
樋口晶之 - Drums
ウィリアム・リー・レイバック - Drums
LIVE AT KORAKUEN STADIUM, TOKYO August. 7th. 1975
とにかくびっくりしたのが、日本のバンドの演奏が収録されていること。
クリエーションは収録されていませんが、イエロー、カルメン・マキ&OZ、四人囃子に、フェリックス・パッパラルディwith ジョー(山中)。。。
そしてこのイベントのために結成された、竹田和夫、森園勝敏、近田春夫、ジョー山中、フェリックス・パッパラルディ、樋口晶之、ウィリアム・リー・レイバックからなるWORLD ROCK FESTIVAL BAND。。
まさに歴史に残る音源だと思います。
当時、文化放送でライヴが放送されたということで、その放送音源とオーディエンス音源が使用されています。
いろいろと当時の記事等を見ると、評判が高かったのが、ジェフ・べック、カルメン・マキ&OZ、四人囃子、そしてジョー山中。
特にジョー山中のボーカルは凄まじく、「全身の毛穴が開き、耳から入った彼のボーカル-肉声が、全身をめぐってそこからふきでる」とニューミュージックマガジンには記されています。
また、ジェフべックは、初日の札幌など、羽田に到着する飛行機が遅れ、羽田から札幌へ移動し、即ステージに上がり1時間のステージを行ったそうですが、そんな様子を全く見せずにテンションの高い演奏を見せ付けてくれたそうです。
【カルメン・マキ&OZ / 昔 from "World Rock Festival"】
【四人囃子 / 一触即発 1 of 2 from "World Rock Festival"】
【四人囃子 / 一触即発 2 of 2 from "World Rock Festival"】
【World Rock Festival Band / Woman from "World Rock Festival"】
どの演奏も当時のロックバンドの高いクオリティを証明してくれる演奏です。
翌1976年、「第2回ワールド・ロック・フェスティバル」が札幌と東京(読売ランド)で開催。
ロン&デレク、ジム・ケルトナー等の外国勢と、ジョー山中、四人囃子、紫、クリエーション等が出演していますが、1976年10月号のニュー・ミュージック・マガジンのレヴューを読む限りでは、残念ながら前年ような熱狂的なライヴとはならなかったようです。。
この後、日本のロックは大衆化してゆきますが、「第1回 World Rock Festival Eastland」こそ、まさに日本のロック・スピリッツが頂点にあった時期だったと言ってもいいかもしれません。。